大判例

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名古屋高等裁判所 昭和27年(う)1510号 判決

第三、昭和二十六年十月二十五日名古屋市西区則武新町二丁目二十八番地小田木貞吉方において矢野貫一等十九名より岡崎市主催豊橋競輪第六日の勝者投票券八十四枚の購入委託の申込を受け前同様代金手数料名下に一枚につき金百十円を受領してこれが申込の証拠として前同様の車券依頼書(申込の車券番号内容枚数等を表示した車券依頼書)を作成交付した事実について被告人は手数料十円を得て委託者に代つて車券を購入したもの即ち車券購入の取次行為をしたに過ぎないもので勝者投票券発売類似行為としたものということはできないと判示しているのであるが、検察官の論旨は原判決は事実を誤認したものであるといい「中略」

よつて原審において取り調べた証拠について案ずるに「中略」

以上の各証拠を綜合すれば被告人は前記十月二十五日の豊橋競輪第六日の車券八十四枚を客より購入委託の申込を受けながらその申込の通りを吉田に連絡せずに自己の判断によつて適当な番号の車券を適当な枚数を連絡して購入を委託しその余の申込については全然購入方を依頼せず而かも吉田においても同様の方法によつて或は車券を購入したり或は購入しなかつたりしていたもので被告人も吉田が右のような方法を採つていることを知つていたものであることが認められる。そうであるとすれば被告人は車券発売に類似の行為をしたものであるというべきである。

原判決はこの点について事実を誤認して居りその誤認は判決に影響を及ぼすことが明らかであるからこの部分に関する検察官の論旨は理由がある「中略」

よつて検察官のその余の論旨に対する判断を省略し刑事訴訟法第三百九十七条第三百八十二条に即り、原判決中被告人に関する部分を破棄し同法第四百条但書に従い更に自判することとする。

罪となるべき事実

被告人は自転車競走施行者でないのに勝者投票券の購入並に的中の場合の払戻金受領の委託を受けるという名義を以て必ずしも申込通りの投票券を購入せず自己の欲する投票券を購入するが若し申込の投票券が的中した場合は競輪場で払い戻す配当金と同額の金額を申込者に支払うという方法によつて勝者投票券発売に類似の行為をしようと企て昭和二十六年十月二十五日名古屋市西区則武新町二丁目二十八番地小田木貞吉方において矢野貫一等十九名より当日施行の岡崎市主催豊橋競輪第六日の勝者投票券約八十四枚の購入委託の申込を受け一枚につき代金百円手数料十円名下に金百十円を受領し、これが申込の証拠として申込の投票券番号内容枚数等を表示した車券依頼書を作成交付し以て勝者投票券発売に類似の行為をしたものである。

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